庭造りを始める前に

植物は生きている

 植物は生き物であるということを意識せず、過酷な環境を強いていないでしょうか。デザイン重視の過密プランター、商業主義優先の庭園施工がその例です。たとえばガーデニングコンテストやイベント会場の修景緑化では今日の審査、明日会場オープンに間に合わせることが目的で、3年後の状態を考えている余裕はありません。完成時の状態が大切なので我慢することにします。

 ところがこの考え方を一般の庭造りの中に持ち込んでいる場合が良くあるのです。業者にたのんだところ、狭い敷地に、最もらしくウッドデッキやラティスフェンスを設置し、シャラの株立ちの周りに彩りよく外来種を植え込み、残ったスペースに草花を詰め込んでイングリッシュガーデンの出来上がり、とのこと。数日後、請求書を見てびっくり。これから先は、ただ草取りなどの管理作業に追われ、過密になった樹木や草花をどうしたらよいのが途方に暮れる日々を過ごすことになります。そのうちにウッドデッキの床が歪んだり、穴があく始末・・・。