北国の気候

寒さ暑さはどの程度?

(道内とイギリス、ニュージーランド)

 最近のガーデニングですっかりおなじみのイギリス、ニュージーランドです。ご当地で感動的な景色や庭などをみて是非自分の庭もそうしたいと望むのは当然といえるでしょう。試行錯誤を繰り返して栽培することもひとつの方法ですが、それでは芸がありません。気候的に北国に適しているかはよく調べてみる必要があります。
 宿根草などの草本類の多くは冬期間、地上部が枯れてしまうので、積雪が期待できる地域ではあまり問題になりませんが、特に樹木の場合はそうはいかないのです。そこで、ひとつの目安として、北海道と両国と月別の平均気温で比較してみました。なお、南半球のニュージーランドでは、季節が反対になるので、下のグラフでは半年(6ヶ月)ずらし、比較が容易になるよう工夫してあります。

各地の月別平均気温注釈

グラフ 主要都市における月平均気温の推移(気象庁による)
(縦軸は各月の平均気温、横軸は月を示す)

 

 北海道は、札幌を中位、暖かい函館を上限、寒さの厳しい帯広を下限とし青い帯にて表しています。同様に、イギリスは上限をプリマス、下限をアバディーン(スコットランド)、中位をロンドンとし緑色の帯で、またニュージーランドは、上限をオークランド(北島:南半球なので原則的には北に行くほど暖かい)、下限をインバカーギル(南島)、中位を皆さんがよく訪れるクライストチャーチ(南島)とし、赤い帯で表してみました。仙台は参考に載せています。
 両国にくらべ北海道は、寒暖の差が激しいことがわかります。言い換えると、両国の夏は北海道より涼しく、冬は仙台より温和なのです。それは、北海道の冬は大陸の寒気の影響を受け、太平洋には優勢な寒流(親潮)があるのに対し、両国周辺の海域には卓越した暖流があるためです。気温で見る限り、植物にとっても天国なのでしょうね。

イギリスの観測地点ニュージーランドの観測地点